アウトプットの力は、情報収集数に比例する

僕の好きなnoteに、「webライターとメディア運営者の、実践的教科書」がある。

webライターを生業としていて、最近はディレクションもしている僕にとって、こんなにぴったりなマガジンはそうそうない。
(余談だが、月額2,100円という数字はちょうどいい塩梅だと思う)

このnoteを書いているのは、Books&Appsというオウンドメディアの管理人である安達裕哉さんという方だ。

今日は、先日新しく公開された『「書くネタが浮かばない」という方は「自動的にネタを貯めるしくみ」を作ってみてはいかが?』について、少し思ったことをまとめたい。

なぜ僕はこんなにもアウトプットに悩むのか。
何が足りないのだろうか。

本記事は、アウトプットに悩む僕に、結構重要なヒントを与えてくれた。

安達さんは言う。

ライターの仕事は、「情報収集」と「執筆」の、ふたつの活動を両立することが重要。
ライティングという活動は、何らかの出来事に対して、どう考えたのか、どう感じたのかを表現する創作活動のひとつだから。

でも忙しくて、なかなか情報収集を割く時間が持てないことも多い。
ならば、自動的にネタを貯める仕組みを作り、情報収集を効率化してはどうか、と。

その上で、安達さんは、まず情報は一箇所にまとめるのが大事だと提言する。
理由は、後に収集した情報を取り出すときの手間がまったく違うから。

情報の保管庫は自分の使いやすいものでいいようだが、安達さんはEvernote(エバーノート)というクラウドのメモアプリを使っているようだ。

ここでEvernoteという言葉が出てきて、「おお…!」と僕は思わず言ってしまった。

というのも僕も使っているからで、あの安達さんも同じものを使っていると思うと、なんだか不思議な感じというか、感動した。

それはさておき、Evernoteは情報の記録アプリとしてかなり優秀なほうだと思う。
(類似のアプリを使ったことがないので、わからないけれど…)

Evernoteは、あらゆる情報をノートという概念で保管する。

これによって、さまざまな形態の情報の一元管理を可能にしている。
たとえば、テキストなら「テキストが書かれたノート」、webページなら「Webページがクリップされたノート」といった具合に。

ちなみに、IFTTT(イフト)というWebサービスを使えば、AmazonのAlexaに話しかけた音声を文字情報として記録したり、「いいね」したツイートを自動で保管できたりと、結構いろんなことができる。

安達さんは、このEvernoteに、面白いと思ったブログ記事や気になったニュース、本のデータなどなど、とにかく情報をどんどん貯めているとのことだ。

本記事を読んだとき、僕が人生で初めて買った自己啓発本『情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」』を思い出した。

この本は、タイトル通り、「とにかく気になった情報は、どんどん100円のノートに突っ込んでいきましょう」というテーマに沿って、ではそれを具体的に実現するためにはどうしたらいいのか、さまざまな手法が紹介されている。
情報の保管場所が異なるだけで、安達さんの記事と通ずるところはかなり多い。

発行されたのは2008年。
だから、なるほど、僕は少なくとも15年はアウトプットの呪縛から解き放たれていないようだ。

なぜか。

安達さんの記事を読んでやっと気づけたのだが、それは情報収集の量が圧倒的に足りていなくて、ゆえにアウトプットの力がいつまでも育っていないからだった。

安達さんは、Evernoteに11,000以上の情報をクリッピングしている。
思えば『情報は1冊の…』を書いた奥野宣之さんは、何百冊と100円ノートを使っていた。

対して僕の場合はどうか。
Evernoteは10年くらい使っているが、今確認したらノートが3,500くらいしかなかった(しかも、そのうち2,000はプライベート写真である)。
そう言えば、『情報は1冊の…』を読んで感化されて実際にやってみたが、5冊くらいでやめてしまったな。

Evernoteにしろ100円ノートにしろ、おふたりは膨大な情報を集めていることで共通している。
しかも、どちらも本を出版されている。

収集した情報の数=アウトプットの力は、わりと間違っていないと思う。

もちろん、アウトプットなので、情報をひたすら収集するだけではなく、集めた情報を活かす方法を身につけることも重要だ。
そのためには、安達さんも奥野さんも言っているように、横断的な検索が重要になる。

だけれど、僕の場合、そもそも横断的な検索に耐えうるほどの情報量を持っていなかったのだ。
ツールをどれにするのか云々、検索が不可欠云々、以前の話だったのだ。

なので、僕は今後、情報をとにかく集めようと思う。

情報収集の段階では「これはネタになるかどうか」は考えない。
そもそもネタになるかどうかは、実際にアウトプットをするときになって初めて決まるものだ。

むしろ頭の片隅にあるだけで、情報収集の妨げになる。

逆説的だが、収集した情報をあとで活かすことを考えないことが、アウトプット力につながる。

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